歯を失ってしまったら

歯を失ってしまったら

重度の虫歯や歯周病、突然の事故などによって歯を失ってしまうことがあると思います。こういった場合、失った歯をそのまま放置しておくと、噛み合わせが悪くなったり、歯の骨が痩せてしまうなど、周りの歯に負担をかけてしまう原因となり、最悪の場合は周りの健康な歯まで失ってしまう場合もあります。そうなると、食事を楽しめなくなってしまいます。
失ってしまった歯を放置することは、全顎に悪影響を及ぼす可能性が非常に高いため、放置せず治療を受けるようにしましょう。

歯を失う主な原因

重度の虫歯

虫歯は虫歯の原因菌となる細菌が歯を侵食する病気で、重度の虫歯になると歯がボロボロになり、大切な歯を失う大きな原因になります。また、虫歯を放置しておくと歯周病にもなりやすく、歯の骨も痩せてしまいます。

重度の歯周病

歯周病は歯を失う病気ではなく、歯の骨を失う病気です。重度の歯周病になった場合、歯の支えとなる骨が失われてしまうため、歯の機能を果たせなくなってしまいます。こうなると、自然に歯が抜け落ちてしまうか、抜歯が必要になります。

事故や外傷によって歯の修復が不可能な場合

突然の事故や外傷によって歯が抜けてしまったり、歯を強くぶつけたことによって大きなヒビが入ってしまうと噛む機能を果たせなくなったり、周りの歯に影響を及ぼすため、抜歯が必要になる場合があります。

歯を失った時の3つの治療

歯を失った際に行う治療方法は、以下の3つの方法がおすすめです。

インプラント治療

インプラントとは、失ってしまった歯のところに人工の歯根(チタン製)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療方法です。ブリッジや入れ歯と比べると、インプラントは天然歯に最も近い構造をしています。また、3つの治療方法の中でも「インプラント」は、周囲の健康な歯に最も負担をかけにくいため、特におすすめの治療方法です。

メリット

  • 天然歯に最も近い構造のため、天然歯と同じような自然な見た目になる
  • 歯を失ってしまった部分のみに治療を行うため、周囲の健康な歯を傷つけない
  • 食べ物を食べる際、天然歯と同じように食べ物の味や温度を楽しむことができる
  • 天然歯と同じように噛むことができるため、お顔の筋肉が衰えず、お顔の老化(シワなど)を予防できる
  • インプラントの手術後、定期メンテナンスを受けることで半永久的に使用が可能
  • 天然歯とほぼ同じ構造のため、他の歯との噛み合わせが安定
  • 歯を1本失うだけで発音に問題が出る場合があるが、インプラントを入れることでこのような問題を緩和できる

デメリット

  • 入院は必要ないものの、外科手術を行う必要がある
  • 骨が少ない場合、骨組織を再生する治療(GBR)を行う必要があり、治療期間が長引く場合がある
  • CT検査などの精密検査を行った結果、インプラント治療を行えないケースがある
  • 一般的な入れ歯やブリッジなどと比べて、治療費が高額になるケースがある

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を削って「失った歯と、両隣の支えとなる歯の本数分を連結して作製する被せ物」をはめて、失った歯の機能を補う治療方法です。歯を失った本数が1~2本の場合に行う治療方法で、入れ歯のように取り外し式ではありません。また、一度削ったり欠けてしまった歯は二度と元には戻らないため、予めご了承ください。

メリット

  • ブリッジは連結した被せ物を歯に固定してしまうため、入れ歯よりも安定感があり、違和感も少ない
  • ブリッジを入れる場所によっては保険が適用される場合があり、治療費が比較的安価で済む
  • インプラントと比べると、治療にかかる期間が短い

デメリット

  • 連結した被せ物を固定するため、両隣の健康な歯を削る必要がある
  • 支えとなる歯に問題がある場合は、先に支えとなる歯の治療を行う必要がある
  • 両隣の歯で被せ物を固定するため、食べ物を噛む際に両隣の歯に負担がかかる。よって、健康な歯の寿命が縮まってしまう
  • 歯と歯の間の隙間から空気が漏れることで発音に影響が出る場合がある
  • 歯茎とブリッジの間に食べカスが詰まってお口の中が不衛生になりやすいため、虫歯や歯周病が悪化する場合がある

入れ歯

入れ歯入れ歯とは、数本の人工歯を人工の樹脂で連結したものです。健康な周囲の歯または歯茎に入れ歯を固定し、噛む機能を回復させる方法です。「入れ歯」は歯を3本以上失った場合に適した治療方法です。全ての歯を失った場合は「総入れ歯」、部分的に歯を失った場合は「部分入れ歯」を入れます。ブリッジとは異なり、取り外しが可能です。

メリット

  • ブリッジでは対応ができない3本以上の歯を失った場合でも治療が可能
  • バリエーションが多く、患者様の症状や状態に合わせて作製が可能
  • 保険が適用できる入れ歯もあるため、治療費が比較的安価で済む

総入れ歯のデメリット

  • お口の粘膜で入れ歯を固定するため、慣れるまで違和感を感じる
  • お口の粘膜で入れ歯を固定するため、稀に入れ歯が外れたり、食事や会話に支障が出る場合がある
  • 食べ物の熱が伝わりにくく、食事の味を感じ取れない場合がある
  • 歯茎で入れ歯を固定するため、硬いものが食べにくくなる

部分入れ歯のデメリット

  • 失った歯の両隣の歯で入れ歯を固定するため、固定するバネに汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病になりやすくなる
  • バネをかける両隣の歯の寿命が縮まる
  • 入れ歯を固定する歯に違和感を感じる
  • 入れ歯を固定するバネが金属のため見た目が悪い

入れ歯全般のデメリット

  • 定期的に外してメンテナンスをする必要がある
  • 本来、歯を支えていたアゴの骨が痩せてしまい、入れ歯が不安定になる場合がある
  • 天然歯と同じように噛むことができないため、お顔の筋肉が少しずつ衰えていき、お顔の老化を進行させてしまう場合がある
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